ものづくり初心者だけでなく視野を広げたい人にもおすすめ! 「無駄なマシーンを発明しよう!」

子どもの頃って、工作をよくしますよね。
小学1年生の娘は工作没頭期まっさかりで、毎日何かを生み出しています
別に目的があるわけではなく、目の前に材料があるから何かとりあえず作ってみる
材料っていうと、何かを作るためのものっていう感じがするので、正確には材料ではないか。
自由に使っても問題なさそうな(つまりは放っておいたら処分されそうな)何か、というのが事実に近いかな。

作っている間に思い付いた瞬間的な目的のために完成させる。
ゴールが明確にあって、そこに向かって作り始めるわけではないので、途中で目指す完成形はころころ変わります。
そのうちに、自分でも思いもよらなかった発想に行き当たることもあります。
だいたいはその日のうちに処分するようなものが出来上がるんですが(でも作ることに意味があるので全然それで大満足)、たまに思いのほか日常に役立つ何かが出来上がって、結構長い間重宝されることもあったり。

それが大人になると、効率ばかり考えるようになってしまいます。
「何のためにつくるの?」
「それ、作るより買った方が早くない?
子どもが作ったものに対してさえ、第一声が「これは何に使えばいいの?」だったり。
「役に立つ」のか「役に立たない」のか、その価値基準でのみいろんなものを見るようになってしまいます。

そんな時に出会って、ハッとさせられたのが無駄なマシーンを発明しよう! ~独創性を育むはじめてのエンジニアリング~という本。

この本は、そんな効率重視の考え方しかできなくなった大人に子ども心を取り戻させてくれる本です。
いまや無駄なことは一切しなくなった私でも子どものころは工作大好きっ子で、とりあえず何かをこねくりまわして、”何か”を作り上げるのはとても楽しかったです。

著者の藤原 麻里菜さんの肩書はウィキペディアによると「日本の発明家、YouTuber、コンテンツクリエイター、文筆家、映像作家」となっていますが、あるポッドキャストでは「無駄作り研究家」と紹介されていました。
「無駄」というのはネガティブなイメージの言葉ですが、実際に作られているのは「まあ、いらないけどあったらおもしろいよね」というもの。
無駄こそが文明を発展させてきた」という言葉には、強く共感させられました。
ノーベル賞を取っている多くの研究でも、偶然の産物って結構多いですよね。
ある目的で作られたものが、実際には違う方面で画期的な活躍をしていたりとかもあるあるです。

実際にマシーンを作らないとしてもいろんなものの見方、考え方、工夫の仕方を考えるきっかけを与えてくれるので、効率ばかり考えて疲れてしまっている人にはピッタリだと思います。
ああ、こういうアイデアもあるんだな、という切り口を知ることで、一気に視界が広がるというか。
私はなんだか頭が一気に冴えわたったような感覚さえ持ちました

マシーンを作らない大人として、衝撃を受けた話ばかりしてしまいましたが、この本の目的は「無駄なマシーン」を作ること。
工作の本は今までも何冊か見たことがありますが、明らかに違うのが、この本は自分で考える余地をかなり与えていることです。
基本的な作り方は載っていて、その通りに作ることもできますが、それを応用して自分で考えてやってみ?というのが伝わってきます。

また、工作をするための技術面も丁寧に説明をしてくれています。
難易度もレベル別になっているので、少しずつ挑戦していくことができます
危ないことはさせたくない派ですが、何がどう危険だからどう気をつければいいか、というのをわかりやすく書いてくれているので準備も心構えもしっかりとしてから取り組め、これなら安心かも。

初心に帰ってものづくりをしたい大人にもおすすめだし、ものづくりへの興味まっさかりの子どもたちにもおすすめだし、日々の日常に飽きている人の読み物としても、おすすめです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする