ワーキングマザーがフリーランスに転身すべきタイミング
私がフリーランスに転身してから、2年4カ月が経ちました。
その間、今のところ一瞬たりとも会社員を辞めなければよかった、と思ったことはありません。
ただ、誰にでも「会社員をやめて今すぐフリーランスになりなよ!」とは思いません。
タイミングをうまく見計らうことが必要です。
フリーランスになって後悔しないための事前チェックポイントをご紹介します。
1.「仕事よりも家族との時間が大切」という絶対的な確信が持てている
仕事をすることで自己実現をしてきた人ほど、注意すべきポイントです。
会社で評価されてきた、キャリアを着実に重ねてきた、仕事を通じて人脈を広げてきた。
会社員であることで、自分の価値を感じる機会は多いと思います。
フリーランスになったからといって、そういった機械がなくなるわけではありませんが、少なくなる可能性が大きいです。
また、フリーランスは会社員ほど評価(いい評価も悪い評価も)を受ける機会はありません。
いい仕事をすれば次も仕事がもらえる、そうでなければ仕事が減っていく、というそれだけ。
この前納品したあの仕事、どうだったのかな…ということも少なくありません。
また、自分の本来の力量よりも簡単な仕事しかないこともあると思います。
そういった仕事への物足りなさがあったとしても、家族との時間や家族と向き合える心の余裕ができれば、それが自分の価値につながるのだ、と思えていること。
その確固たる価値観の優先順位が確立されていないと、辛いと思う瞬間が出てきてしまうかもしれません。
2.ある程度の貯蓄がある
フリーランスに転身してすぐに会社員時代と同じくらいの収入を得るのは難しいケースが多いと思います。
私は、会社員時代の年収は600~700万円でした。
フリーランス転身初年度は、5カ月間で50万円程度。
2年目は250万円程度、3年目の今年になって550万円程度です。
フリーランスになると決めた時の年収目標額は扶養に入るギリギリの150万円程度だったので、思いのほか稼げていますが、安定的に稼げるとは限らないのがフリーランスです。
たとえ収入がほとんどなくなったとしても、生活レベルに支障がない程度の貯蓄はしておかないと精神的に厳しいです。
特に子育て世代だと、習い事1つ増えただけで大きく支出が増えます。
中学受験をしたいとなると、塾代で年間70万円くらいするし、私立に行ったら学費もかかります。
お金がすべてではないけれど、先立つものはやっぱりお金です。
お金が理由でできないことや、我慢しなければならないことが出てこないように、自分が定年する年齢までのお金のシミュレーションをしたうえで、いくら貯めれば会社員を辞めてもやっていけるのか、確認をしておきましょう。
ちなみに私(かなりの心配性です)の場合は、子ども2人が私立受験をすることも想定して、キャッシュでの貯金2,000万円を基準にしていました。
3.客観的に証明できる程度に、稼ぎたい分野での経験が豊富にある
フリーランスでやっていくには、「自分は何ができるのか」を証明して仕事をとって行かなければなりません。
そのためには、当然ながらある程度の経験と知識が必要です。
私は今は文筆業関連の仕事をしていますが、会社員時代に10年間その分野の仕事に携わってきました。
非常にピンポイントな業界で、当時はキャリアが広がらないと思うこともありましたが、フリーランスになるとむしろ強みになります。
ピンポイントな業界を10年間経験したとなると、業界の全体像が把握できているし、多少の想定外のことにも対応できる経験値があります。
その分野であれば、何を言われてもツーカーで理解できる状態で、たいてい何でもできる柔軟性もあります。
何を依頼されているのかを的確に理解し、きちんと求められたこと(あわよくばそれ以上のもの)をするためには、私は少なくとも5年くらいは会社員としてサポートしてもらえる状況で経験を積むことが必要ではないかなと思います。
4.人脈が作れている
自分の力で仕事をとることも必要ですが、活用すべきは人脈、つまりコネです。
フリーランスになって仕事が欲しい私と、ピンポイントな業界だからこそ適材を探すのが大変な企業側で、win-winの関係になれるわけです。
ただ、会社員を辞めたら自動的にそんな関係性になれるかというともちろんそんなわけはなく、そうなるために必要なのは、会社員時代の人脈作りです。
信頼を得られる仕事を積み重ねることで、この人がフリーランスになるんだったら頼もう、と思ってもらえます。
些末な仕事や他部署の仕事も頼まれたら、きちんと丁寧にやる性格だった結果、退職後に4~5つの部署から仕事をもらえています。
また、同じ業界に転職した人からも仕事をもらうことができて、結果的に会社員時代のつながりでの収入が全体の7割くらいを占めています。
フリーランスになるために会社員の時に頑張る、というのは本末転倒ではありますが、日頃の行いがどうつながっていくかわからないという意識の元、まじめにやると報われることもあるかもしれません。
5.子どもの体力がある程度ついている
フリーランスだと、家にいられて、子どもを見ながらでも仕事できるしいいよね、とよく言われました。
コロナの影響で在宅勤務が増え、実際に在宅をしたことがある人はわかると思いますが、全然そんなことないんです。
子どもがそばにいたら、仕事なんてできません。
また、フリーランスは多くの場合が一人でその仕事を責任を持ってやり切る必要があるので、スケジュール調整が何より重要なんです。
体調不良で納期が遅れました、なんていうことは絶対避けなければならない。
ましてや、時間が足りなくて間に合いませんでした、なんてことになったらもう仕事はもらえないと思った方がいいです。
となると、一番恐ろしいのが子どもの体調不良なんです。
10時間くらいかかる仕事の納品が明日だから、今日と明日でやれば間に合うかなと思っていたら娘が発熱!となると、作業時間の確保が難しいのです。
会社員時代も早退しなければとか、急遽休まなければ、とかありましたが、会社は組織なので、私の仕事を誰かが代わりにカバーするということが可能なんですが(すごく申し訳ないし、なるべく避けたいことではありますが)、フリーランスはそれができない。
だから、子どもの体力がある程度ついて、想定外の突然の体調不良への対応があまり必要なくなってからがおすすめです。
全てがうまくタイミングがそろうことはないとは思いますが、個人的に以上の点がそろっていることでフリーランスになってからも不安定にならず(収入面だけでなく、精神面も)乗り切れるのではないかと感じています。
ご参考になれば幸いです。