誰の得にもならない…すぐ辞めようと思ったクラウド上で見つけた問題添削のお仕事の話

フリーランス生活になって4か月目に入りました。
稼ぎのメインとなる仕事が軌道に乗るまでは、単発・短期の仕事もちょこちょこやっていました。

いろんな仕事、いろんな人、いろんな市場が覗けてとても興味深い中、
以前、労働力のぼったくりが少なくないという記事を書きました。
(→過去記事はこちら

ここで書いたほどではないけれど、こんな仕事はむなしくなるから辞めよう、というのをまた経験しました。

 

クラウド上で見つけた問題添削の仕事

今回書くのは、クラウドソーシングのサイトで見つけた受験生が解いた問題を添削するお仕事の話です。
英語教育に関わる仕事をしていたこともあるので興味もあり、やってみました。

簡単なプロフィールを送るのが1次選考。
2次選考として簡単なテストを受けたら、数分で合格の連絡が来ました。

大丈夫…?ちゃんと見てる?誰でもいいの?と思ってしまった。

 

1課題あたりの報酬は300円くらい

募集要項のところに「慣れてくると報酬は時給1000円~1500円程度です」とありました。
時給に幅があるのは、歩合制だからです。

1課題の採点でいくら、というのが各課題の難易度によって決められています。
60~90分かけて解くような問題量(大問でいうと3~5問くらい)の添削が1課題あたりおおよそ300円です。

 

時給1000円~1500円にするためには、1時間で4~5課題程度の処理が必要

つまり目安として掲げられた時給にするには、1時間に4~5課題の添削をする必要があります。
ということは、1課題あたりにかけられる時間は12~15分

繰り返しますが、大学入試レベルの問題1セット分(所用時間60~90分)の添削です。

息子の小学2年生のドリル1回分(所用時間10分)の丸つけですら、指摘コメントも書きながらだと1回分5分くらいはかかります。

問題を実際に見なくても、1課題に15分以内でと聞けばかなり短い感じはしますよね。

 

時間効率よく採点するためにテンプレートを”ほぼそのまま”使う

とにかく時間効率をあげて数をこなすことが求められるということです。

効率よく数をこなすために、添削コメントのテンプレートを駆使します。
すべての問題に対して、こんな感じで添削すればいいよ、というのが用意されているんです。

デジタル採点の時代においては、テンプレートを活用するのはまあ当然です。
ただ、その使い方に驚きました。

基本的にはそのまま張り付けるだけ
「必要に応じて、コメントを張り付ける位置を調整してください」
過不足あれば調整をしたりはしますが、「原則コメント文はそのままでいいです」と。

 

生徒が”どう考えどこで躓いたのか”を汲み取ることは求められていない

比較的解けている子の場合は、テンプレートを使ってもそんなに支障はないのですが、
気にかかるのが点数につながる解答ではないけれど、それでも頑張って解こうとしているのがわかる子

当然ながら、一人ひとり理解度や得意不得意のポイントが違います
同じところで間違っていたとしても、なぜ間違ったのかの理由が違います

解答用紙からそれが伝わってくるので、
最初の頃は、一人ひとりの状況に合わせてテンプレートのコメントを変えていました

”あなたは〇〇と考えたけれど、こういうケースでは××となるので、答え方は△△となります”というように。

そしたら、1課題1時間はかかるんです。
時給300円

報酬設定の面からも「そこまでやらなくていいです、とにかくテンプレートを貼ればいいです」というメッセージが伝わってきました

 

間違った添削があることも…

今回添削した問題は、一度添削を受けた後に再度やり直して提出することも可能です。

同じ添削者が同じ生徒の1回目と2回目を続けて見るわけではなく、
1回目と2回目で違う添削者が担当することの方が多い。

2回目添削の際に1回目に戻したものを確認すると、
間違いではないのに間違いにしているところがあったりするんですよね。

少し調べれば辞書に書いてあることなのに…
1課題にそんなに時間をかけていられないことの悪影響がこういう形でも出ているのかもしれません。

高校生は赤で書かれた内容を素直に信じて学んでしまうので、添削する責任は重大です。
1課題15分添削の目安は、その重責に応えるにはやっぱり足りないよ…。

 

誰の得にもならない仕事だ、と思った

「受験生の解いた問題添削のお仕事です」という文言に魅力に感じて始めたお仕事ですが、実態は自分の持っていたイメージと全く違いました。

【当初イメージ】
・英語力が生かせる(自己実現欲求)
・受験生の勉強の助けになれる(社会貢献)
・時給が高い(稼げる)

【実態】
・英語力はそんなになくてもいい(英語力があっても発揮しなくてよい)
・受験生の努力を報いたり、本当の学力UPにつなげられたりしているのか疑問
・時給が安い

 

自分は作業者だ!時給UPのために数をこなすのだ!と割り切れる人にはいいのかもしれません。
でも、私はこんなの誰の得にもならないじゃないか、と思ってしまいました

自分の経験値(英語指導の)を上げるわけでもなく、
1回分の課題を頑張って解いた受験生の頑張りに相応のサポートができるわけでもなく、
お金ももらえるわけでもなく、
ただ肩が凝って終わる

自分のためにならないし、受験生のためにもならない
誰のためにこの仕事をするんだろう…?
雇用主か?そんなのバカバカしすぎる。

 

おまけ ~不気味な感じがする匿名のまま進めるお仕事~

クラウド上の他のお仕事と同じく、今回のお仕事も匿名のまま進みます
メールアドレスは伝えるけれど、本名も住所もお互い知りません
(雇用主は法人なので調べればわかるけれど、あえて改めてこういうものです、という連絡はない)

その状態のまま、私は会社の機密情報を知れるわけです。
どうやって添削システムを構築しているのか、
1日何件くらい添削業務を処理しているのか、
どういう受験生が何人くらいいるのか。

 

個人情報に関するもの含め、秘密保持契約とか書面で結んだ記憶がないです…。

仕事の採用判断も一瞬だったし、悪意のある人が入り込む隙がありすぎです。
誰でも情報が盗めるよ…?大丈夫!?

得体のしれないコミュニティで仕事をしている不気味感もふと感じたのでした。

 

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