ハスキーボイスは命に係わる病気の症状かも!? 声帯溝症を治療すべき理由

小さい頃からハスキーボイスで、20代のころは童顔な見た目とのギャップが色っぽいと褒められることもありました。
でもね、ハスキーボイスって実は病気かもしれないんです。
コミュニケーションでやりづらさを感じることがあるハスキーさんは要注意です。

ハスキーボイスは声帯の奇形が原因かもしれない

生まれてから何回も耳鼻咽喉科に行ったことはありましたが、「声帯の病気かもしれませんね」と言われたことはありませんでした
だから、まさか声帯に異常があるなんて思いもしなかったのですが、実は声帯溝症という病気でした。
声帯は2つの唇みたいなのが開いたり閉じたりして声を出す働きをするのですが、そのくっつくべき部分が溝みたいに凹んでいるんです。
その結果、その隙間から空気が漏れて声がハスキーになります。
また、声帯溝症がひどいと隙間が広くなり、常に声帯が開いている状態になり声量も減ります
ハスキーも軽度であればいいのですが、重度になると日常生活や命にも関わってくるのです。

声が出ないとコミュニケーションの質が低下する

声帯溝症だと、大きな声が出なかったり、長く話すと声が出なくなったりします。
実際に声を出してみるまで、どんな声が出るかわかりません(かっすかすで出ないことも珍しくない)。
聞き返されるのが嫌で電話が嫌いになるし、友達とお茶するのも静かなお店じゃないとしんどいです。
道の反対側からママ友に声をかけられても、返事が届きません
仕事においても、広めの会議室で発言をしても全員には聞き取れるように話せない
子どもともめて少し大きな声で言い合い(とか正当な討論とか)をしたらあっという間に声が枯れて、途中で声を出すこと自体がしんどくなり、説得もできないし、中途半端にただ揉めたという事実だけが残る尻すぼみな感じで終了します。
声を出す状況において、思い通りコミュニケーションが取れないんです。
明らかにQOLが下がります

声帯をかばうので首の筋肉や耳に過剰な負担がかかる

専用の機械で測ったところ、私は声帯の溝が深いので半分以上の空気が声帯の隙間から漏れているそうです。
普通は声を出すために空気を声帯の隙間から出すのですが、それがダダモレ。
だから、声を出すために普通に話せる人よりもずっと力を入れて話す必要があります
どこに力が入るかというと、首。
首がなんとか声帯を閉じようと、めちゃくちゃ頑張っているみたいです。
話している時に、先生が首の筋肉を触ってその硬さにびっくりしていました。
そして、首への負担とともに、耳にも負担がかかります。
声を出し過ぎると耳の奥が痛くなることありませんか?
普通に話せる人は痛くならないのかな…首筋の筋肉の疲れが耳の奥からつながる感じです。
万年おたふくかぜ、みたいな。

ただ、それだけ頑張ってても、全然声量が足りないんですけどね。
保育園のお迎えの時、思いっきり空気を吸って、腹式呼吸で一生懸大きな声を出して娘の名前を呼んでも、お迎えに来たという声が誰にも届きませんでした…もう悲しすぎる。

声帯が閉まらないと誤嚥のリスクが上がる

さらには、声帯溝症には命に関わるリスクも伴います
人間は口の奥のところで、食道と気管に分かれます
言わずもがな、食べ物が流れていくのが食道、肺につながって空気が行き来するのが気管です。
食べ物を飲み込む時は、間違って肺の方に流れて行かないように声帯は閉まるんです。
つまり、声帯は肺の手前にあって、誤嚥を防いでくれているというわけ。
でも声帯溝症だと、その声帯が閉まり切らないわけなので、誤嚥を防ぐ働きも弱まります。
年齢が上がるとともに死亡理由の上位に肺炎が入ってくるのですが、70歳以上の肺炎の7割の原因が誤嚥です。
まだ40歳だからそこまで誤嚥肺炎のリスクを感じたことはないけれど、加齢とともに気を付けるべき病気になっていきますよね。

加齢と共にますます衰える声帯

声帯溝症でも話はできるからこのままでいい、と思うかもしれませんが、声帯は加齢とともにどんどん衰えていきます
若い時に普通に話せていた人ですら声を出しづらくなってくるので、もともと声帯がやせている人はなおさらです。
孤独な老人が増えているという話も聞きますが、声を出しづらくなるとより孤立しがちになると思います。
私は手術の負担(声を出せない期間が長いとか)やリスク(これなら確実という方法はまだない)を踏まえて注射治療にしましたが、もし手術をするなら、若い方が声帯の回復も早いです。

 

声帯溝症はそのままでも生活できるし、今すぐ命に関わる病気ではありません。
だから、特に若ければ若いほど、つい放置しがちになると思います。
でも治療してみたら思うはず、どれだけ普段普通の状態と比べて頑張ってきたか、そして、損をしてきたか
ちょっとでもハスキーボイスに不便が伴うなら、一度自分の声帯の状態を確認しにボイスクリニックに行くことをおすすめします。

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