私も産後鬱と育児ノイローゼでギリギリのところをきました
最近、児童虐待のニュースが後を絶ちません。
数年にもわたる日常的な虐待は信じがたいけれど、いわゆる育児ノイローゼによる突発的なものは他人事とは思えません。
子どもによって、そして親の価値観や性格によって、育児の負担感は全然違います。
長男はとてつもなく手がかかる子どもで、本当に辛い日々でした。
紙一重ですりぬけてきた、と今でも思います。
睡眠不足は著しく判断力を落とさせる
子どもを床に落として殺してしまった、というニュースを聞くと、私も少しの違いで報道される側だったな、と思います。
子どもがかわいくないわけではなく、ましてや死んでほしいなんてこれっぽっちも思ったことはありません。
でも日々の積み重なる疲労で判断力がどんどん落ちてきて、自分が何を望んでいるのかわからなくなってくるんです。
一番きついのが睡眠不足です。
0歳児の時から、夜もまとまって6時間寝てくれる赤ちゃんもいます。
そんな話を聞くと、誰も悪くないけれど、その赤ちゃんとママに怒りを覚えてしまうくらい、うちの息子は寝ませんでした。
頼むから寝てくれ、と思いながら22時頃から抱っこし続けて、立って揺れながら何度朝焼けを見たかわかりません。
寝てくれたと思っても、揺れるのをやめたら泣くんです。
布団に置こうと思えるところまでも、まずたどり着かない。
座っても泣かずにいてくれるのは、授乳の時だけ。
授乳しながら何度もウトウトしました。
そして、ウトウトしながら見る夢は、ウトウトしながら授乳したせいで息子を落としてしまう悪夢。
もしくは、授乳しながら息子に覆いかぶさるように寝てしまう悪夢。
うわっ!と思って起きて、息子が無事なのを確認してホッとした次の瞬間、またウトウト。
無事でよかったと思ったこと自体、もしかしたら夢の中での感想だったのかもしれません。
そんな睡眠不足が続くと、立って抱っこして揺れながらもウトウトするようになり、カックンとなってハッと気づき、そしてまたウトウト…。
何が夢なのか現実なのか、境目がわからなくなってきます。
完全なワンオペとまではいかないけれど、朝7時半に出てよる23時頃に帰ってくる夫に何か期待できるわけもなく。(ちなみに私は東京、実家は関西と九州)
今が朝なのか、昼なのか、夜なのかわからない。
時間なんてどうでもよくなってきます。
とにかく少しでいいから静かな環境で眠りたい。
頭の中は睡眠欲でどんどんいっぱいになり、他のことを考えるすきまが追いやられていきます。
常に頭が重く、ぼーっとしていて、何かの膜に何重にも包まれているような感覚。
五感も鈍くなってきて、ましてや脳みそを使う判断力なんてどんどん衰えます。
何かを考える体力なんて残らない。
そんな日々が1年は続きました。
一瞬でいいから泣き声から解放されたいという欲求
長男は、2歳頃まで24時間いつも泣いていました。
「24時間泣いていた」なんて大げさな!と思う人も多いと思います。
確かに、声をあげて誰が見ても泣いている状況は、24時間ずっとは続きません。
でも、「泣いているか、泣かないかどうかドキドキしっぱなしだった」のは24時間でした。
おなかが空いているんじゃない?
オムツが気持ち悪いんじゃない?
暑かったり寒かったりするんじゃない?
歌を歌ってあげたらいいんじゃない?
だっこしてあげたらいんじゃない?
散歩に連れて行ってあげたらいいんじゃない?
全部やったってば。
全部やって、他の人がアドバイスすること以上にいろいろ試したってば。
そんなこと言うなら、あんたがうちの子に試してみなよ!!!って何度も言いかけました。
あんたのとこのおとなしい赤ちゃんとは違うんだよ…。
小児科を数件回って相談してみしたり、
漢方薬を飲ませてみたり、
神社のお札に頼ったりまでしたってば。
でも、ダメでした。
小児科医に言われたのは「寝なくて死んだ子はいませんから。大丈夫。」という言葉。
大丈夫…!!!???ママが死ぬかもしれませんよ?
もしくは、ママがおかしくなって子どもを殺してしまうかもしれませんよ?
市役所の相談窓口には「泣いても放っておけば20分もすれば疲れて寝ますよ」と言われました。
やってみましたよ、そんなこと。
20分どころか、2時間泣き続けて、でも泣き止まないんですけど。
理由がわからないまま泣き叫び続ける長男をおんぶひもでおんぶしながらの家事は、正気を失いそうになります。
いつだったか疲労のために、おんぶしたままよろめいて、壁にぶつかってしまったことがありました。
子どもがケガをするほどの衝撃ではなかったけれど、ちょっとびっくりしたらしく、1秒くらい泣き止みました。
その1秒、すごく心がホッとしたんです。
泣き声がちょっとだけやんだよ!
今、ちょっとだけだけど、泣き止んでくれたよ!!!
もしかして…もっと強く壁にぶつかったら、それが2秒になるかもしれない。
そういう考えを実行するか、なんとか押しとどめるか、本当に紙一重でした。
運がよかったとしか思えない
きっとこれが、産後鬱や育児ノイローゼの一歩手前なんだろう。
本当にそうなったら、対応を考えよう。
きっと、まだ、大丈夫。
そう思って1日1日をなんとか乗り切るのを積み重ね、長男は殺されず、私も息子を殺すことなく、9歳になってくれました。
紙一重のギリギリのところを、なんとか超えずにすんだのは、単に運がよかったんだと思います。
もし、子どもに何かひどいことをしてしまった自分が当時いたとしても、「やっぱり」と思ってしまっていた気がします。
そうだよね…こんなつらい状況が何年も続くなんて、無理だよね、って思ってしまっていた気がします。
人によって状況が違うので、ママ友には相談しづらいです。
何の解決にもならない同情をされるか、非難されるかしか期待できません。
最近は悲しいニュースが増えてきたこともあり、相談窓口が増えたり、対応が手厚くなったりしてきているのかな。
紙一重を超えるか超えないか、運に頼らず、確実な解決策を誰もが容易に手に入れられるようになりますように。
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