中学受験 塾に通い始める時期に「都立を目指す」と決める難しさ

長男は3年生の終わり(塾的には4年生)から塾に通い始め、中学受験を目指しました。
そして今年の春、希望通り都立の中学校に合格することができました。

息子にとって、この受験は挑戦してよかったものだったと思えています。
合格できたという結果だけでなく、受験までの勉強内容や学校選び、周辺環境の雰囲気など含めて、そう思います。
受験勉強をする中で、都立受験と私立受験との違いを大きく感じどちらを目指すかの見極めは(しかもそれを小学3年生とか4年生でしなければならない!)とても難しいと実感しました。

そこで、息子の受験の際に感じた私立と都立の違いを紹介します。
私立か都立か、検討する際の参考になれば幸いです。

私立は偏差値の幅が広いが、都立は一定以上の偏差値まで上げることが必要

中学受験をしようと決めるのはおそらく小学3年生の終わりが多いと思います。
正直、その時点でわが子の実力がどの程度伸びるかは未知数です。
思いのほか伸びることもあれば、あれ…?となることもあるでしょう。
そんな時、私立なら実力の伸びを見て実力に合った学校を選べます(私立中はたくさんあるので、必ずどこかめぼしいところが見つかるはず)。
でも、都立はどこを受けるにしても偏差値60程度は必要です。
息子は都立中に強い塾に通っていましたが、入塾の際に「クラス分けテストは頻繁にあるんですか?」という質問に対する、「進捗確認テストはありますが、6年生の後半になったら学力レベルに分けてクラスを分けません。全員を受験できるレベル(つまり偏差値60以上)にまで引き上げることが必須なので」という言葉が印象的でした。
都立は最低ラインがあるというのが、息子には合っていたと思います。
基本、面倒くさがり屋なので、私立のように幅広い偏差値の学校がある状況だと、そんなに頑張らなくても今のレベルに合ったところでいいじゃん、となっていただろうな、、、と。

私立は途中での志望校変更がより柔軟、都立は選択肢が少ない

中学入試を実施している都立中は9校しかありません。
しかも、通学距離などを考えると9校すべてが選択肢に入ってくるわけではなく、さらに少なくなります。
うちの場合は、3校がまあ通える距離、1校が頑張って通えるかな…という距離にありました。
息子の志望校として当初考えていたのは、距離が一番近い都立中だったのですが、実際に見学するとちょっと微妙…となり、他の都立中を検討することになりました。
また、思っていたより学力が伸びたのですが、レベルの高めの学校は、頑張って通えるかな…という距離。
通学距離と学校のレベルを踏まえて、少ない選択肢からベストな学校を決めるのはかなり悩みました。
一方、私立は学校の数が断然多いので、学力の状況や気持ちの変化に応じて、志望校を変更しやすいです。

私立は複数校・複数回受験可能、都立は1校1回のみ

学校にもよりますが、私立中学の多くは、複数回受験日・受験回が設定されています。
なので、複数志望校を受けることもできるし、1つの学校を複数回受けることも可能です。
(学校によっては、何度も受験すると得点にプラスαがある学校もあるんです!!)
簡単に言えば、何回も挑戦できるチャンスがあるということ。
でも都立は、1校、1回のみの挑戦です。
すべり止めを受けることはできず、またちょっと挑戦してみようという軽い気持ちで受験校も選べずなので、ここのメンタル的な違いは大きいです。

私立は知識型、都立は思考型の試験内容

私立の中学すべてがそうというわけではありませんが、傾向として、私立はどれだけ多くの知識を習得してきたかが合否の肝となります。
だから、塾での学習も覚えるものが多い
国語なら、漢字はもちろん、慣用句や四字熟語、季語や文法用語など。
理科と社会なら、資料集の端から端までの知識を漏れなく間違いなく覚えるような勉強がメインです。
時間をかければかけるほど偏差値が上がるとは言いませんが、時間をかけなければ偏差値は上げられず、志望校との距離も縮まりません

一方で、都立の入試は適性試験という試験で、国算理社の要素を踏まえつつ小論文や筆記での解答が多く求められます。
基本的な知識としては小学校の教科書で学習するものでよく(実際には、それ以上のことを塾ではやっていましたが、私立対策の勉強に比べたら全然らくちん)、それをベースに思考力や表現力をつけていきます。

息子はずっと机に座ってコツコツ細かいことを覚え続けるのは苦手
私立の戦い方は向いていないと判断しました。
また、都立の勉強で養われる思考力や判断力、表現力は大学入試でも問われ始めているものであり、中学受験だけでなく、将来的に、大学受験や社会に出てからでも役に立つ力につながると思ったのです。

都立の方がお金がかからない、は怪しい

都立と私立で一番の違いは学費だと思われる方が多いと思いますが、個人的には都立だからと金銭的な負担の軽さを期待しすぎない方がよいと思っています。
確かに学校に払うお金で考えれば、断然私立の方が高いです。
でも、予備校のコスパなども全部含めて考えたら、必ずしもそうではないかも…と思うのです。
都立ならほぼ確実に塾や予備校に通う事になり、予備校に通う費用が上乗せになります(予備校まで通うっていう労力もプラスでかかりますよね)。
でも、私立の中には、予備校に通うことなく必ず最難関大学に合格させます!という学校もあります。
また、私立には特待生待遇もあったりするので、その枠を狙えば授業料は無料になるんです。
なので、トータル金額(労力もお金に換算して)でみると、勉強の仕方や選ぶ学校やコースによって、トントンになることもあるかも。

 

いろいろ調べて、比べて、考えて。

 

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