健康でない自覚があっても元気だと言われてしまう西洋医学。多様性の時代には東洋医学が必要だと思った話

ここしばらく体調が優れないというS先生

会社員時代にとてもお世話になった方の一人にS先生という方がいらっしゃいます。
その業界では知らない人がいないという、とても有名で活躍されています。
でも決して奢ることなく、常に向上心を持ち、人当たりもよく、お持ちの知見を惜しむことなく教授してくださる。
大好きな先生です。

その先生がおっしゃっていました。
最近、とても体調が悪くて」と。
本当にお忙しく、睡眠時間も十分に取れていない状態がもう何年も(何十年も)続いている先生。
お仕事を一緒にさせていただいた10年の間にも2,3回入院されたこともありました。

 

人生で初めて受けた人間ドックの結果はオールA

風邪のような微熱と頭痛の症状がずっと治らない
だるくて仕事に行きたくない
気力だけでなんとか身体を引きずって仕事をする
立っているだけでいっぱいいっぱいの気持ちになる

数か月こんな症状が続いて、さすがに重篤な病気かもしれないと思われたそうです。
そして、人生初めての人間ドックを受けに行ったと。

結果を聞くのが怖いS先生に医者が最初に言った言葉は「僕にできることはありません」
末期…まだ子どもも小学生だし、やりかけの仕事もたくさんあるし…どうしよう。

と落ち込みかけたところに「この年でこんなに健康なのは珍しいです、何も解決すべきことはありません」と医者は続けたそうです。

 

S先生の体調不良は治らないまま

S先生はホッとした一方で、じゃあこのしんどさはどうすればいんだろう、と思ったそうです。
こんなにツラいのに医者からは「あなたは健康ですよ」「何もしてあげられませんよ」と突き放された

「毎日しんどくて仕方ないけど、でも僕は健康なんだってさは
「確かに、仕事の後にお酒を飲むと、その時だけは元気になるんだよね
「お酒を飲んだら元気になれるってことは、健康ってことなんだろうね」
「あああー、頑張るしかないのかー、いやだなあ

と日本酒を飲みながらおっしゃっていました。

 

「意識」か「感覚」か

養老孟司さんが「遺言。」という本を執筆されたということ、先日でテレビでお話をされていました。
この本の話は、「意識」と「感覚」の2つが軸になっているとのこと。

最近は「意識」、つまり頭で考えることばかりが優先されて、「感覚」が置き去りにされている
その結果、気づけるべきことが気づけなくなってきている、と。

「意識」をここまで強いものにしたのは、データや結果優先の価値観だ、とのことでした。

元々お医者さんをされていた養老さんが具体例として話されていたのは医者と患者のやりとり。
医者は検査結果をもとに”あなたは病気ではない、健康だ”という。患者は”俺は体調が悪いんだ”という。外来でよく医者と患者がそういうケンカをしていた。

まさにS先生の例です。(ケンカはしてないけど)

 

 

西洋医学は病名をつけるのが目的。東洋医学は証を見る。

健康管理士の勉強をする中で、改めてきちんと西洋医学と東洋医学の違いを学びました。

西洋医学はデータや検査結果の基準をもとに、病気か病気でないか、病気なら病名は何かを判断します。
東洋医学は身体だけでなく心も合わせて総合的に見て(これを「証」を見ると言います)状態を判断します。

 

東洋医学では、その人が“今どういった状況にあり、その原因は何か”を個人の状況や体質まで含めて診断します。
同じ病気でも発病要因は人によって違うし、例えば風邪でも初期か治りかけかで対処法が違う。
だから、例え西洋医学的には同じ病名でも、人によって違う薬が処方されることもあります。
逆に、違う病名でも同じ薬の場合もある。

 

 

S先生、心配です

西洋医学によって体の隅々をデータ化してみてみた結果、異常はなかったというS先生。

でも、東洋医学では、病名がつくかつかないかではなく、身体の全体のバランスが整っていなければそれは正常ではないという判断です。
未病は東洋医学では立派な病気なんですよね。

S先生が常にしんどい、だるい、微熱が続く、というのはやっぱり健康ではない

東洋医学の医者でなくともわかることなんですが、病名がつかないと療養のために立ち止まることを許してもらえない社会です。

 

多様化する時代、求められるのは東洋医学の考え方だと思う

西洋医学はとても効率的で、いい面もたくさんあると思います。

ただ、今は何もかもが個人のニーズに合わせて多様化する時代です。
そして、数値に表しづらい「ストレス」が病気の大きな要因の1つになってきています。

一律のデータ基準に照らし合わせて健康か健康でないかを切り分ける西洋医学ではなく
これからは東洋医学の考え方、対応がより求められてくるだろう、と感じました。

本当の意味で健康な人たちが増えることを祈ります。

 

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