「ワーキングマザーは大変だよね」と言われたくない理由

正社員で働いている(もうすぐ辞めますが)私は、よく「ワーキングマザーは大変だよね」と言われます。

会社の同僚であるワーキングマザーや保育園のママ友からは、共感を得る感じで。
ワーキングマザーでない会社の同僚からは、同情する感じで。
マンションの専業主婦のママからは、なぜそんなに頑張るのか不思議だと言わんばかりの感じで。

 

きっと「今日はいい天気だね」という時候の挨拶と変わらぬ気軽さ、無難さで声をかけてくれているのはわかりつつ、私はどう返せばいいかわからず、とりあえず「はい…」とだけ答えてきました。

 

私には私なりの大変さがあるからひとくくりにされたくない

「ワーキングマザーは大変だよね」という時、その人の中でのワーキングマザーはどういうイメージなのでしょう。
ひとことでワーキングマザーと言っても、人それぞれ状況は全く違います。

 

じじばばのサポート体制の違い

何よりも大きな違いだと日々感じ、そして羨ましく思うのは、サポート体制の違いです。

ワーキングマザーが一番悩まされるのが急な子どもの体調不良。
朝熱を測って「ヤバい!!」となってすぐに「おばあちゃん、今日お願い!」と言えるかどうか

 

”仕事を休まなくていい”というのは、ただの結果としての違い。
本当の違いは、”仕事を休まなくていい”という状況を作るまでの精神的な負担感です。

 

私も夫も実家が遠方なので、そうそう実家に頼れません。
そうなると「ヤバい!」となった瞬間に、どっちが病院に連れていくか、病児保育の手配をどうするか、預け先がないとなるとどう分担して面倒を見るか…。
朝から想定外の交渉や手続きが発生するというのは、ものすごい疲労感につながります。

保育園から呼び出しがあった時も同じ。
かかってきた電話をそのまま転送するかのように「おばあちゃん、お迎え頼む!」と言える先輩が妬ましかったです。

 

仕事に対する意識や姿勢の違い

自分で言うのもなんですが、私は責任感が強くまじめな性格です。
なので、与えられた役割は自分できちんとこなしたいし、メンバーに迷惑をかけたくない。

業務時間の捻出のためにできる限りのことはしてきました。
・夕方残れない分、朝早く行く
・お昼は自席でお弁当を食べながら仕事をする
・雑談に入りたくても気づかないふりをする
・どうしてもの時は持ち帰って家でやる

 

一方で、ついもう少し頑張ってみては?と思ってしまうママも…。
・業務効率を上げる努力もしないまま「時間が足りないのでできません」と仕事を断ったり、後輩にやらせたりする
・保育園の呼び出しがあったら、引継ぎも何もしないまま即帰る
・なのに昼休み時間をオーバーしてランチに出かけている

時短勤務制度を利用するのは権利ですが、行使するときの配慮は見せたいところです。

 

あなた(が思う)よりも私は頑張っていると思ってしまう

それだけ環境や個人の姿勢が違うので、負担感少なく見えるワーキングマザーの人から「ワーキングマザーは大変だよね~」と言われると、「あなたよりも私の方が大変ですけど…?」とつい思ってしまうのです。

それぞれが、今置かれた状況の中で精いっぱいやっているし、感じ方にも個人差があるので、本当にみんな最大限大変なのだと思います。

ただ、客観的に比べてしまい、つい皮肉りたくなってしまうのです。

 

会社のワーキングマザーの先輩がある日「おばあちゃんが体調を崩したから迎えに行かなきゃ。あー、大変だー!」と早退されました。

「育児と介護のダブルケアなんですか?」と遠慮がちに聞くと「いや、いつも子どものお迎えはおばあちゃんに頼んでるんだけど、体調崩してお迎えいけないっていうからさ。保育園に私が行かなきゃならないんだよ。」と。

毎日なんとか間に合うようにお迎えに行っている身としては、ちょっとムッときても許してもらえますよね…。

 

あなた(が期待する)ほど頑張れないと思ってしまう

逆に、子どもとの時間を犠牲にしているように見えるワーキングマザーから「大変ね」と言われると、あなたほど頑張っていませんので…と恐縮してしまいます。

「私くらい身を粉にして働きなさいよ~」と言われているような気にすらなってしまう。
言っている人にそんなつもりは毛頭ないとはわかりつつ、「もっと頑張れ!」と聞こえてしまうのです。

 

ママであろうがなかろうが、みんな必死で働いている。「ワーキングマザーは」という枕詞はいらない

結局そういうことだと思うのです。

プライベートをある程度犠牲にして頑張っているのはワーキングマザーだけではありません
だからワークライフバランスについて国会でも議論されるわけで。

「ワーキングマザーは大変だよね」と言われると、最近は「いやいや、みんな大変だよね」と返しています。

 

会社を辞めると言った時、人事担当者からこう聞かれました。
「あなたのようなワーキングマザーが働き続けられるようにするにはどうしたらいいと思う?」

ワーキングマザーが働きやすいということは、そうでない人も全員が働きやすいということだと思います。ワーキングマザーのことだけ考えても答えは出ないと思います」と返しました。

 

社会的弱者のようにとらえられるワーキングマザー。
配慮が必要な時もあるとは思いますが、ワーキングマザーといってもいろいろなのです。

「ワーキングマザーのために」とひとくくりの配慮は意味がない。
「ワーキングマザーがいる環境で全員が働きやすい社会」を考えなければならないと思うのです。

 

 

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