「みかんゼリー」の競合はプリンでもヨーグルトでもなく「アイス」だった

先週の娘の体調不良に続き、昨日は息子が吐き気と熱で保健室で休んでいます、と呼び出しがありました。
仕事の調整をつけて迎えに行った帰り、「みかんゼリーなら食べられる気がする」と言うのでコンビニに寄ることにしました。

 

みかんゼリーが置いてある棚のラインナップ

寄ったコンビニのゼリーコーナーには、のど越しのよさそうなものがたくさん。
みかんゼリーの隣には、桃やビワ、ぶどうのゼリー。
カスタードプリン、牛乳プリン、杏仁豆腐。
アロエヨーグルト、リンゴヨーグルト、いちごヨーグルト。

「どれもつるんとしてるから食べやすそうだね、どれにする?」と聞いても息子は悩んだまま。
「いくつか買っていいよ」と言っても「うーん」と決まりません。

 

ゼリーコーナーを離れてアイスコーナーへ移動

「ちょっとこっちも見てみる」と息子がアイスコーナーへ移動しました。
すると、10秒もしないうちに3つくらい手に取り「これ!」と。
昨日は夏日で確かに暑かったけれど、体調不良時にアイスかい!?と思いつつ買って帰ると、家に着くなり「うん、やっぱりこれなら食べられる」と食べていました。

↓しかも「ゼリーも買っとけば?」と言って選んだのは「みかんゼリー」じゃなく「桃ゼリー」

 

「みかんゼリー」の競合はアイスからカップラーメンまで幅広い

ゼリー会社が「みかんゼリー」を開発する時、競合としてまず捉えるのは、おそらく同じくゼリーを作っている会社。
もしくは、広げて考えたところで、コンビニで同じコーナーに並ぶプリンやヨーグルトだと思っていました。

でも、ゼリーを食べたいと思った人が、ゼリーとは売り場コーナーも違うアイスを買うんですね。

 

ゼリーを食べたいと思う人はどういう人か。
何をゼリーに求めて買おうとお店に入ってくるのか。

”今日はあのゼリーが絶対食べたい!”とピンポイントで狙って買いに来る場合は別ですが、息子のように「だるくても食べやすそうなもの」を求めてゼリーを買いに来た人は、より噛まなくてよくて体を冷やせそうなアイスを買う。

「甘いけれどカロリーが低くておなかも満たされそうなもの」を求めてゼリーを買いに来た人は、もしかしたら、おからクッキーを買うかもしれない。

「ゼリーなら日持ちするし非常食としてもストックできる」とゼリーを買いに来た人は、もしかしたら、カップラーメンを買うかもしれない。

見た目や性質、売り場の分類だけでは、競合は決まらないのだなと思ったのでした。

 

本質を深堀りして捉えることがマーケティングの面白さ

のど越しなのか、カロリーの低い甘いものなのか、保存性なのか
一言に「みかんゼリー」と言っても、個人によって、またその時の状態や気分によって、期待することやイメージが違います

マーケティングとは、”誰に何をどんな風に売ればよいか”を考えることです。
競合が何で、だからどんな戦略で売れば、より買ってもらえるか。
ニーズを本質的に調査・分析して、商品も作り上げられていきます。
だから、とっても魅力的で、難しくて、楽しい作業なのですが。

結局うちの息子が選ばなかった「みかんゼリー」を作っている会社の人たちは、こんな顧客も想定していたのかな…。

 

 

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