子どもの「みんな持ってるから買って!」を邪険に扱ってはいけない理由
小学生2年生の息子はなにかねだる時に 「なんで欲しいの?」と聞くと、ほぼ間違いなく「みんな持ってるから!」と答えます。
「みんなって誰?クラスみんな?違うよね?名前言ってみ?3人じゃん」とつい言ってしまいがちですが、それはあくまでも大人の目線での考え方に過ぎないのだと、ふと気づきました。
子どもなりの世界から少し考えてみてあげてみてもいいかもしれません。
ウソをついて買ってもらおうとしているわけではない
小学生になると魅力的に見えるものがどんどん増えてねだられることも多くなってきます。
しかも前にも似たようなものを買ったような…とか、もしくは逆に、この前そろえていたのとは違うものにもう目移りしたの…?とか、必然性が親には感じられなかったりすることが少なくないです。
そこに「みんな持ってるから」と“みんな”を持ち出されるとつい「みんなって誰?」と論破したくなってしまいます。
親からすると、「みんな」というのは「”クラスの”みんな」を想像します。
30人中30人とまでいかなくとも、25人くらいじゃないと「みんな」ではないと思いますよね。
でも実際聞き出すと具体的に名前が出てくるのが数人だったりする。
みんなじゃないじゃん!と怒ってしまいがちですが、子どもは意図的にウソをついて親をだまそうと考えているわけではないのです。
子どもにとって「みんな」はクラス単位ではなくいつものメンバー単位
ではなぜ子どもは「みんな」を持ち出すのか。
それは子どもが把握できる範囲が、大人が捉える範囲よりも狭いからです。
クラスに30人いるけれど、席が隣でなかったり、性別が違ったり、いつも遊ぶグループとは違ったりするクラスメイトに関しては、今日元気に学校にきていたかどうかすら覚えていなかったりします。
親はクラスや学年単位で母体をとらえますが、子どもは自分に直接的に関わる範囲がすべて。
子どもにとっての「みんな」は、いつも遊ぶお友達数人のことを指すのであり、それが2~3人でも子どもにとっては十分「みんな」なのです。
「みんな」の定義で言い合うのではなく、「あなた」の考えを聞き出す
そうなった時に、「みんなっていうのはクラスみんなのことを指すんだよ!2~3人でみんなって言わないで!」 と親が言ってしまうのはNGです。
親が子どものいう「みんな」の定義がわからなかった以上に、子どもは親のいう「みんな」がどういうことかわかりません。
なぜいつも遊ぶグループで、自分以外のメンバーは持っているのに「みんな」ではないんだろう。
よくわからないけれどとにかく買ってくれないらしい…、よくわからないけれど「みんな」と言ってはいけないらしい…ということしか伝わりません。
ではどうするのか。
「A君とB君が持っているのはわかった。それはA君とB君それぞれに欲しい理由があったから、それを説明して買ってもらったんだよね。じゃあ、あなたが欲しいと思う理由は何?」と聞いてあげるといいと思います。
「カードの種類が増えるともっと強くなって友達と戦った時に勝ちやすくなるから」
「いつもA君のを借りて遊んでるけど、5分くらいしか貸してくれなくてつまらないから」
「対戦するためには自分専用のがないと輪に入れないから」
などなど。
子どもなりの考えを聞くことで、「みんなが持っている」から持っていないとどんなデメリットがあるのかがわかります。
また、それを買ってもまたすぐに違うものをねだられそうか、もしくは、それなら大事に長期間使って遊びそうか、も見極めやすくなります。
子どもが安心・安定するなら買ってあげるのも手
ねだられるままに何でも買い与えるのは経済的な理由や、しつけの観点などから難しいこともあると思います。
ただ、息子の遊び方を見ていると、おもちゃありきの遊びがほとんどなので、友達と同じものを持っていないと輪に入りづらくなったり、楽しめなかったりすることも事実です。
(自分の子供時代は外遊びがメインだったので、どんなおもちゃを持っているか、なんてほとんど関係ありませんでしたが・・・)
「自分だけ持っていない」と思うことで、気持ち的に負担になることがあるかもしれません。
また、実際に遊び方に支障が出ているかもしれません。
上記で述べたように、「あなたはなぜ欲しいと思うの?」と気持ちだけでなく、遊びの状況も合わせて聞いてあげるのがいいと思います。
「みんな」と同じものを持つことが子どもの自信や積極性などにつながる場合は、 ものそのものを与えるというよりも、精神的な武装をさせてあげるつもりで、躊躇せず買ってあげてもよいのかなと最近は思っています。
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