子宮頸がんワクチンについて。自己責任での接種を求められてもどの情報を信じればよいのか。
子宮頸がんワクチンとは
小学校6年生から高校1年生の女子を対象としたワクチンで、子宮頸がんを防ぐためのものです。
予防接種によって、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐことができます。
子宮頸がんのワクチン接種が世間に広く知られ始めた時「予防接種で防げるがんがある」ということでとても期待値が上がりました。
私の叔母はすでに50歳くらいでしたが、接種したい!と強く言っていたのを覚えています。
子宮頸がんワクチンの現状
子宮頸がんワクチンの接種に関して、国は2010年11月から公費助成を開始しました。
2013年4月には定期接種の位置づけ(全員が受けて当然のもの)となりましたが、接種後に全身の痛みやしびれなどを訴える報告が相次ぎ2か月後の6月には積極的な勧奨を中止しました。
それから5年。
希望すれば接種できますが、副反応(と厚生労働省は表現していませんが)の実態が見えない中、接種数は少ない状態が続いています。
摂取後の症状は深刻なものが多く、呼吸困難やじんましんなどの重いアレルギー症状や、手足に力が入りにくいなどの症状が挙げられます。
厚生労働省は、「ワクチンは、予防効果が期待できる一方で一部の症状については痛みなどのきっかけになったことは否定できない」として、情報をよく確認したうえで接種を検討してほしいと呼びかけています。
自己責任と言われても、個人が判断することの難しさ
「情報をよく確認したうえで検討」と言われても、何も確かな情報がない中で、どう検討・判断すればよいのか。
【事実として確認できた情報】 ・厚生労働省のHPによると、子宮頸がんの患者数は年間10,000人程度(2008年)、 子宮頸がんによる死亡者数は年間3,000人程度(2011年) ・子宮頸がんワクチンを接種すれば、10万人当たり最大859人の子宮頸がんを防ぐ効果が期待される ・子宮頸がんワクチンの接種によって、10万人当たり92.1人に副反応が疑われる症状が報告されている ・副反応とは、呼吸困難やじんましんなどの重いアレルギー症状や、手足に力が入りにくいなどの症状 ・重症な症状が出た人は、全身の強い痛みのために自由に動けず、普通の日常生活も送れなくなっている ・しかもその症状が数年以上の期間に渡って続いている ・その体調不良が副作用によるものという意見もあれば、ワクチンは関係ないという意見もある ・数年の治療を経て体調不良を克服した人もいる
10代の時期の貴重で楽しい経験を、もしかしたらすべて失うことになるかもしれない恐怖と、将来的にもしかしたら発病するかもしれない病気の予防だと、どっちをとるか。
”AかもしれなしBかもしれない”というような曖昧な情報ばかりでは、大事な娘の将来に関わることを判断できるわけがありません。
もし副反応が出ても国は知りませんからね、自分で決めたのですよね、と責任を放棄したようにしか見えず怒りを覚えます。
2012年9月までは、ポリオの予防接種も恐怖でした
娘の時にはポリオも不活化ワクチンになっていましたが、息子の時にはまだ日本のポリオワクチンといえば生ワクチンでした。
不活化ワクチンも取り扱っている病院はありましたが、数少なく、自費での接種となりました。
ようやく日本でもポリオの予防接種が不活化ワクチンになったのは、2012年9月でした。
生ワクチンとは・・・弱毒化したポリオウイルスを使ったもの 不活化ワクチンとは・・・ポリオウイルスを無毒化して使ったもの
何が恐怖だったかというと、生ワクチンはポリオを発症する可能性があったんです。
かからないように接種しているのに、予防接種で感染するなんて、ウソでしょ?と思います。
しかも、接種後は便にもポリオウイルスが排出されるので、処理する時にも注意が必要というドキドキ感まで…。
ポリオに感染したら、手や足が麻痺し、一生その麻痺が残ることもあります。
ポリオの予防接種を受ける年齢は生後3か月から。
赤ちゃんが元気に不規則にバタバタ動かしている手足が、注射をすることで動かなくなるかもしれない…。
想像するだけで涙が出てきました。
接種に先駆けて、もし副作用がでたら健康被害に対して国が補償します、という説明の紙をもらいましたが、
そんなの何の救いにもなりません。
ポリオの生ワクチン接種の決意を支えたもの
何日も迷って、結局接種をしましたが、それは”いろんな情報を集めたから”ではありません。
もちろんいろんな人に話を聞いて、情報収集もしましたが、最後は「この子は副作用がでないだけの強運を持っているはず」と信じる気持ちだけが頼りでした。
数日間は毎日手足がちゃんと動くか気になって仕方なかったです。
娘の時に不活化ワクチンに変わっていると知った時、本当にホッとしました。
予防接種のためにストレスを感じるのは辛いです。
1日も早く子宮頸がんワクチンの正しい情報を
ポリオは予防接種と副作用の関係がはっきりしていました。
なんの救いにもならないながら国が補償してくれて、国としては接種を公費で賄っている(つまり推奨している)ので、まだ接種するかどうかの検討や判断がしやすいです。
一方の子宮頸がんは、国が接種するかどうかの判断を国民に投げてしまっている。
国が何も判断せず5年がたち、その間に接種適齢年齢を通り越してしまう人も出てきてしまいます。
(日本だけが子宮頸がんの予防接種後進国になってしまうから、早く再開すべきという人もいますが、安全性の担保なしに言われても何の説得力もありません…)
1日も早く、なんらかの納得できる結論が出ることを祈っています。
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