やってあげるべきとはわかりつつ、子どものとても小さな簡単な願いを聞いてあげ続ける難しさ
児童精神科医の佐々木正美さん(2017年6月28日に亡くなられました)が執筆された本が、多くの子育てに悩む母を今も救い続けているというニュースを見ました。
いろんな育児書を読んでは「それができれば楽なんだよ!」と思ってきた
佐々木さんの本を拝読したことはありませんでしたが、うちの子たちは他の子よりも、自他ともに認める手のかかる子どもたちなので、いろんな育児書を読んできました。
でも、1冊たりとも役に立つと思えるものはありませんでした。
・「泣き止まない時はやさしく抱っこしてあげましょう」→そんなことはもちろんやっている。もしくは暴れて抱っこもさせてくれない。
・「泣き止まない時は歌を歌って落ち着かせてあげましょう」→泣き声が大きすぎて私の声なんて聞こえない。
・「泣き止まない時は納得いくまで泣かせてあげましょう」→2時間泣きっぱなしですがもっとですか?
・「よくないことをした時は落ち着いてから理由を聞いてあげましょう」→理由を聞いたらまた泣くか暴れるかですけど、繰り返すんですか?
うちの子よりおとなしい子だからできるわけで、じゃあ、それをうちの子で実践してみてよ!と逆にイライラしてしまっていました。
佐々木さんは子どもをありのまま受け入れ、対応してあげることを勧める
佐々木さんは何冊もご執筆されていますが、私が心惹かれたのは「育てにくい子」と感じたときに読む本でした。
「子育ての悩みを解決するいちばんいい方法は子どもを変えようとしないことです。『子どもが望むような親』に自分自身がなるといいのです。」とおっしゃっています。
これまで自分が読んできた育児書は、親が理想とする子ども像にいかに子どもを近づけていくか、だったので目標の設定の仕方から違います。
”一般的な3歳児像”が育児書などでも書かれていることが多いので、つい自分の子と他の子を比べて焦ったり心配したりしてしまいますが、そうやって親が安心できるような子どもにしようとするのは間違い。
子どもを認め、親自身が変わることで、結果的に子どもも落ち着いてくる。
そして、子どもの要求を都度叶えてあげることを勧めています
佐々木さんは「手のかからない子がいい子だなんてそんなのは大きなまちがいですよ。小さいころに手をかけさせてくれる子が本当はとてもいい子なんです。」ともおっしゃっています。
子どもは何か小さな要求をしているだけにすぎず、その要求を叶えて満足させてあげれば、それ以上子どもの要求はエスカレートしない。
だから、子どもの要求を親がコントロールしようとしてはならず、逆に、要求してくることに対してすぐに対応してあげればよい。
ニュースに出て話をされていた方も、それで子どもが落ち着いたというお話をされていました。
「要求に応えてあげる。
『だっこしてほしい』と言われたら、だっこする。
『ひざの上でごはん食べたい』と言えば、ひざの上に乗せてごはんも食べる。
娘の願いは本当に小さなことで、それをかなえてあげることは意識してやっています。」
うちの3歳の娘も(そしてかつての息子も)同じようなことを要求してきます。
でも「だっこしてー!」と言われると「ちょっと待って」、「ひざの上でごはん食べたい」と言われると「重いし食べづらいんだけど」と言ってしまっていました。
その「娘の願いは本当に小さなことで」というのを聞いて、確かに本当にちょっとしたことであり、そんな小さなことに対しても私は抵抗を示してきていたのか、と衝撃的な気づきを与えられました。
ただ実践しようとすると「小さな願い」はエンドレスで続くのです…
その気づきを得てから、小さな願いをなるべく聞いてあげるようにしようと意識しました。
例えばごはんの時。
「椅子に座らせて」
「ママの右じゃなくて左の席がいい」
「抱っこして」
「ひざに座りたい」
「食べさせて」
「お水飲みたい」
「お水に氷を入れたい」
「靴下を脱ぎたい」
「お豆むいて」
「トイレ行きたい」
「パンツ脱がせて」
「トイレに迎えに来て」
「手を洗わせて」
「抱っこで椅子に座らせて」
「食べさせて」
「トマト小さく切ってきて」
「ごはん終わりにするからぶどう食べたい」
私はいつ食べればよいのでしょう…。
子どものごはんが終わった後は
「絵本読んで」
「お店屋さんごっこでお客さんして」
「おりがみがない、探して」
「隣に座って絵を書くのを見てて」
「膝に座ってテレビが見たい」
とまた新たな小さな願いのオンパレード。
1つ1つは本当に小さな願いです。
ただ、それがずっと連続して続くんです。
叶えてあげたい気持ちはとても強くありますが、なかなか実際には難しい…です。
うまく間引いてバランスを取っていきたいと思います。
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