中学受験を急がずとも高校受験で行きたい学校を選べるようにしてほしい

先日会った大学時代の友人の長女は小学5年生
中学受験を目指しているというのは知っていましたが、その理由を聞いて、年中の娘の中学受験を現実的に考えなければ、と思わされました。
中学受験を頑張っておかないと、特に女子は高校受験で大変困難な環境が待っているんです。

中学受験をするのは何のためか

何のために中学受験をするのか。
家庭によって、地域によって、子どもの趣向によって、様々な理由があると思います。
でも、大きくはこの3つでしょう。

1.大学受験を見据えて教育レベルの高い学校に入れたい

2.高校受験(学校によっては大学受験)を受けずにすむ

3.学力レベルや家庭水準の似た友達が集まる環境に入れたい

ここに加えて、最近よく聞く理由が「みんな受験するから」です。

私が中学受験をしたころ、それはかなりのレアケースで「中学受験をする」と言ったら驚かれたものでした。
(もう25年くらい前の関西地方での話ではありますが)
結果的に公立の中学に進まなかったのは、1学年140人中、私を含めて3人程度でした。

でも、うちの息子の学区では7割が中学受験をするのだとか。
「みんなと一緒でいいよ」といった時の行き先が公立中学ではないんです。
「普通」が「中学受験」になってきています。

平均的な教育を普通に受けるために、中学受験をするようになってきているのです。

 

女子は特に中学受験をしておいた方がいい理由

中学受験をしなくても、高校受験で合った学校に行けばいいじゃない、とずっと思ってきましたが…。
学力に応じた適切な教育を受けるために、特に女子は中学受験の必要度が増すようです。

なぜなら、高校受験の時の選択肢が著しく減っているからです。
私立だけではなく、国公立も中高一貫校化してきて、高校からの入学者を取らなくなってきているんです。
その傾向が顕著なのが、男子校よりも共学校・女子高

学力相応の学校に入りたくても、競争率は必要以上にどんどん高くなります。
そして、例えば偏差値70の学校がダメだった場合に、滑り止めとなる学校は偏差値50くらいのところしかないのだとか。
偏差値だけで志望校を決めるわけではないけれど、やっぱり大きな指標の1つです。

自分が行きたいと思う高校があってもそもそも募集がなかったり、あったとしてもかなり狭き門で苦悩することになるのであれば、中学校のうちに籍を確保しておくのが安全策だと思ってしまいます。

でも、このシステムはどう考えてもおかしい。
小学校のうちから遊ぶ時間を削って勉強しなければ受けられる教育が制限されるんです。
また、高額な塾代や学費を払える家庭は限られてくるわけで、経済状態で進路が左右されるのは不公平すぎると思うのです。

 

中学受験のために忙しすぎる小学生

中学受験のための塾に行っている子どもたちは、小学3年生だと週に2~3日、小学5年生になると週に4日くらい塾に行きます。
バリバリ指導する塾だと、夜の21時まで授業があります。

本人が好きで勉強をしているならいいと思うけれど、そうではない子も多いと思います。
実際、ストレスで体調や精神のバランスを崩した子の話もよく耳にします。

いつかの「夏休みに行きたいところ」アンケートの1位がダントツで「家でゆっくりしたい」だったのが衝撃でした。

 

親の経済状態による格差がどんどん広がる

もしかしたら、嫌々でも塾に行ける子はまだいいのかもしれません。
高学年になると塾代は月に5万円前後
念願かなって私立中学に入った後は、1年間で100~150万円はかかります。
学校以外で習い事をすれば、もちろんもっとかさみます。

兄弟がいれば2倍、3倍になるわけで。
フルタイムの共働きではないと厳しい家庭がほとんどでしょう。
それでも無理な家庭も少なくないでしょう。

 

全員が平等に望む教育を受けるのは無理なのか

日本では教育を受けさせる義務があり、義務教育を全員が受けられる社会です。
それすら叶わない国も多くあるので、上を望みすぎだと言われればそうかもしれませんが。
でも、実際に教育の差が生涯年収の差と相関しているという研究もあるわけで、誰だって自分の子どもにはよりよい教育を受けさせたいと思うはず。

でも、中学入試をどうするか判断する小学3年生の時点ですでに差が付き始める現実。
そして、その選択肢を持てるかどうか自体、親の給与水準によって変わってくる
その上、お金がないから中学受験をしなかったのに、高校で公立に行こうと思ったらめちゃくちゃ頭がよくないと行けなくて、結局高校は学力に合わない私立に行かなきゃいけなくなるリスクが高くなるんですよ…。

世の中、いろいろおかしなことだらけ。
普通に考えたら歪んでるよね、おかしいよね、ということだらけ。
でも、それを変える力もないので、その枠内でなんとか最善の策を考えるか。
といつもの後ろ向きなポジティブさで、進路を考えたいと思います。

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