デジタルデバイド(情報格差)の深刻さ

IT(情報技術)の発展についてつかないと犯罪に巻き込まれる時代

ITの発展が凄まじいスピードすぎて、ついていけていません。
最低限必要なことは把握・管理できるようにしたいと思っていますが、今も把握できているのか自信はないし、最低限のラインをじりじりと押し下げようとしている自分に気づいたりします。

新しい手口の詐欺がどんどん登場し、子どもがSNSやインターネットを通じて事件や事故に巻き込まれることも増えている。
ITの発展についていけない者は、どんどん社会的弱者になってしまう時代です。
”わからない”で済まさずにきちんと理解するようにしなければならない、とは思っていますが、多岐にわたる情報を取捨選択しながら置いて行かれないようにするのに必死です。

一応、会社員としてPCを使った仕事をしてきた私がそんななので、自分の親世代が置いて行かれないわけがない
デジタルデバイドがどんどん広がっていることに恐怖感を覚えます。

 

デジタルデバイドとは

デジタルデバイドとは、IT用語辞典によると
「コンピュータやインターネットなどの情報技術(IT:Information Technology)を利用したり使いこなしたりできる人と、そうでない人の間に生じる、貧富や機会、社会的地位などの格差。個人や集団の間に生じる格差と、地域間や国家間で生じる格差がある。」という意味です。

両親を見ると、このデジタルデバイドに直面しつつある実態をひしひしと体感します。

 

常にIT関連のことで頭を悩ませている両親

両親はいつもパソコン、スマホ関連での悩みを抱えています。

新しくパソコンを買い替えたら、ネットにつながらなくなった
ウイルスバスターを導入したら、パソコンが起動しなくなった
ガラケーからスマホに買い替えたけれど、電源オンオフの時点から操作がよくわからない

想定している以上に初歩的なところで躓いたり、そんなことある…!?と思うような不具合が起きたりします。

今回の悩みは”Wi-FIの強化”

それらの悩みを日々電話で聞き、実家に帰省するタイミングで実際の状況を見て、私ができる範囲で解決するというスタイルでこれまでやってきました。
今回の課題は、”Wi-Fiが弱くてキッチンにくるとネットワーク接続が切れてしまう”ということでした。
料理中などにラインで電話がかかってくると料理を中断して、部屋を移動していると…!それは不便すぎる。

Wi-Fiの中継器を買って対応することにしました。

 

ITリテラシーが決して高くない両親への説明は大変!

Wi-Fiの中継器というものがあることの説明から始まります。
中継器を私が購入してきて、説明しながら設定をするのですが、思っていた以上にハードルが高かったです。

・分岐する説明書をどう読み進めばいいかがわからない
ルーターの種類によって、設定の方法が2種類ありました。
説明書は3枚入っていて、1枚目は王道の初期設定方法、2枚目は王道ではいかない場合の初期設定方法、3枚目は中継器の場所の選び方が書かれていました。
実家のものは王道ではない方法だったので、1枚目の途中から2枚目に飛んで作業を進める必要があったのですが、その分岐の判断が難しいようでした。
「●●というボタンが親機にある場合はこの方法、そうでない場合は違う方法」という見極めができない。
”●●というボタン”が「ある」ならわかりやすいのですが、「ない」というのがどこまで探して諦めればいいのかわからない
私なら大体この場所にこれくらい目立つものとしてあるはずで、でもそれがないから「ない」のだろうと推測できるのですが、その基準がないと判断できないようでした。

・エクスプローラー、バー、実行の意味がわからない
説明書は丁寧に1つ1つの作業を書いてくれています。
ただ、言葉がわからない。
「エクスプローラーを開き」→エクスプローラーって何?googleの画面でいいの?
「検索バーに入力」→バーって何?この文字を入れられる枠のこと?
「実行を押す」→実行っていうのないけど?Enterでいいの?

・パスワードやルーターの暗号化キーの入力負荷が高い
「暗号化キーを入力します」→暗号化キーって何?似たようなのがいくつもあるけどどれ?
「パスワードを入力します」→パスワードって何?さっきの暗号化キーとは違うの?説明書の端っこに見つけたけど、メガネがないと小さくて見えない!
「入力完了したら実行を押す」→入力したけど黒丸になってる(非表示なので)よ?いいの?

・画面設計や画面遷移の認識が十分でない
母「何回やっても説明書にあるような画面が開かないけど!!!?」
私「スクロールしたら下の方に出てきてない?」
母「スクロールって何?
私「画面を下の方にずらしてみて」
母「どうやってずらすの?
私「画面の横にバーがあるはずだからそれを動かして」
母「バー?
私「四角い棒みたいなやつ」
母「…えっ!画面が暗くなった!!!
私「画面をタッチしたら元に戻るから」
母「タッチ?どこ?
私「画面」
母「画面のどこ?
私「どこでもいい」

・とりあえずリセットを押してしまう
なんとか設定が完了して、キッチンでもYou Tubeが見られるようになったと大喜びしてくれました。
が、翌日、私が帰省した後につながりづらいことがあったらしく。
そんなことは想定内だったのですが、短気な父が説明書に戻ることなく、何も考えずにとりあえずリセットを押してしまえ!と押したそう。

「つながらなくなったんだけど?」
そりゃそうだ、設定がリセットされたから最初からやり直し

電話越しに先日と同じような説明をしながら1時間再設定を試みましたが、うまくいかず
気持ちを切り替えて別の日に挑戦するとのことでした。

昔の電化製品ならリセットでよかったのかもしれませんが、最近のものには通用しないのよ…。

 

共通言語がない&概念も共有できていないことの深刻さ

私も決して詳しい方ではないので偉そうなことは言えないのですが、普通は知っているだろうという単語が通じないことのストレスはすごかったです。

言葉の意味、定義から説明をしなければならないので時間がかかる。
説明の途中で「それ何?」と言われると、どうしてもイラっとしてしまう。
自分自身、共通言語と思い込んで使っていると改めて説明するのが難しいものもある。

言葉の意味を聞かれるならまだいい方で、そもそも仕組みや概念が理解できていないことも少なくないので、何がわからないのかわからないんです。
何をどう聞けばわかるのか、どこの時点でつまづいているのか、わからない。

何かトラブルが起きた時に対応できるように両親自身も理解しておきたいという気持ちはありますが、それを阻むものの大きさを目の当たりにしたのでした。

”わからなくてもよい”ではどんどん取り残される時代において、こういったIT弱者の状況を把握したうえで商品開発をしたり、説明書を詳しくしたりしてもらわないと、格差がどんどん開いていくし、まだ弱者にはなっていない人もどんどん弱者側に立たされていくだろうと感じました。

 

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