「風邪ですか?」は「今日は天気がいいですね」とは違って、とりあえずの挨拶として使ってはいけない
「今日は天気がいいですね」は時間つぶしや沈黙解消のテッパンの挨拶
部署が同じだけど、顔見知り程度の人。
同じマンションの住人だけど、ほとんど合わない人。
息子の同級生だけど、誰のママかわからないくらいの人。
友達の結婚式に招待されて、その場で初めて会った人。
などなど、素性を知るほど話したことはない人や、初めて会った人たちと、しばらく会話をしなければならない状況というのは多々あります。
そんな時に便利なネタは、その日の天気について触れることです。
「今日は暑いですね」
「ここしばらく晴れが続いてますね」
「今日の夕方は雨が降るらしいですよ」など。
注意点は”絶対に認識が一致する事実”についてのみ触れること
天気は同じ時間に同じ場所にいる人と共有できる”事実”なので、意見が相違することはなく、上記のような投げかけをすればほぼ間違いなく「そうですね」と返ってきます。
それに、相手が言葉をつけ足して返事をしてくれたら、会話を広げていけばいい。
数十秒、うまくいけば1分くらいは時間を消費することができます。
そのために注意すべきことは、「今日は暑いですね」の後に、自分自身の価値観や感想をつけないことです。
「今日は暑いですね。もう暑いのは大嫌いで。早く夏なんて終わって冬になればいいのに。」とか言わないこと。
相手が夏が好きで、海や山に出かけるのを楽しみにしていて、早く終わってほしいと思っていない人かもしれない。
そうなると、相手は返事に困るし、万が一「いや、私は夏が大好きですけど」なんて素直に返されると、気まずい空気が流れます。
せっかく沈黙を脱するためになんとか会話を展開しようとしたのに、逆効果です。
100人いれば100人が同意する事実のみを投げかけるようにしましょう。
「風邪ですか?」はある程度相手のことを知ってから言うべき言葉
「今日は天気がいいですね」と同じくらい気軽に、それほど親しくない間柄でかけがちな挨拶が「風邪ですか?」です。
マスクをしていたり、咳をしていたり、ちょっと顔が赤かったり、鼻声だったり。
そういった”自分が風邪ったらそうなるだろう”という基準で聞いてしまいがちです。
「風邪ですか?」という背景には、
・絶対に風邪だろう
・風邪なんてたいした病気ではない
・ちょっとしんどうそうなその状況を理解できるし共有できる
というのがあります。
だから、気軽に聞いてしまうわけですが、風邪じゃない理由によってそうなっていることもあるんです。
”たいしたことないけど、ちょっと嫌だね”というテンションで聞かれても、実は”ちょっとしたこと”じゃないこともあるんです。
会社の同僚で乳がんを患い、肺や脊椎に転移した方がいらっしゃいました。
私もその方に聞くまで知らなかったのですが、そういう状況になると咳が出るんです。
聞く分には一般的な風邪と同じような音で、特に乾いた感じとか深い感じとか、ありません。
ただ、ずっと何日経っても同じような症状が続くんです。
彼女は全員に病状をオープンにしていたわけではないので、「風邪ひいたの?」と会う人みんなに聞かれるのですが、それに対応するところを見るのが本当に心を締め付けられる思いでした。
ある程度仲の良い人や、結構頻繁に会う人であれば、いつもとどう違うかでわかることもあります。
でも、そうでない人に対しての「風邪ですか?」は、”絶対に認識が一致する事実”を扱った挨拶にはならないこともあるんです。
私は「風邪ですか?」と聞かれると風邪であることにしてしまいます
私は子どもの頃からハスキーボイスです。
「見た目とギャップがあっていいね」とか「かっこいいね」と言ってもらえることもあるので、そんなに嫌な思いばかりしてきたわけではありません。
でも、やっぱりよく聞かれるんです。
「風邪ですか?」と。
これから仲良くなるだろう人や、今後もまた会うであろう人には、「風邪じゃなくてね…生まれつきこの声なんだ」という説明をします。
次に会った時にまた同じ質問をされるかもしれないし、聞かれなくても相手がふと気づいて気まずい思いをさせてしまうかもしれないから。
でも、ショップの店員さんのように数か月に1回会うか会わないか会わないかの人や、友だちの友達のようなもう会わないであろう人には「そう、風邪なんです」と言ってしまいます。
説明するのが面倒くさいし、”たいしたことないだろう”という期待を裏切るのも申し訳ないから。
ただ、そういうと「今風邪流行ってますよね、その声はツラいですよね。」と声を否定する言葉が続くんですよね。
こういうやりとりを何十年もやってきているので慣れてきてはいますが、1日に何回かこういうことがあったり、「ホントにひどい声になっちゃいましたね」とかより声を否定する言葉をかけられたりすると、凹みます。
そんなにか…と。
また言われるかもしれないし、もうこのお店来るのやめよう、と。
ちょっとした挨拶って難しくてニガテです
自分がそういう経験をよくするので、あまりよく知らない人に対しては、”絶対に認識が一致する事実”しか挨拶にしないように注意しています。
結果的に自分から何かを断定的に投げかけることはなく、相手に何かを答えてもらってそこから情報を広げる、という作戦が多くなります。
体調について触れるとしても、
「ここしばらく暑い日が続きますが体調大丈夫ですか?」とか。
「先週はうちは子どもが体調を崩して大変でした。そちらは大丈夫ですか?」とか。
どこかへお出かけするのかなという時は、
「これだけ暑いと出かけるのも気合いがいりますね」とか。
どこに行くのかや、今日はお仕事お休みですか?というのは、何らかの事情で相手が答えたくないかもしれない。
あまり親しくない人だけでなく、保育園のママ友とでさえ、ちょっとした挨拶は構えてしまいます。
「ばいばーい」だけの数秒ならいいけれど、帰りの支度をする時に同じタイミングになった1分くらいが悩ましい。
子どもたちは毎日一緒に遊んでいても、ママ同士会うことはあまりないし、近況をあまり知らない中で、バタバタとお迎えのすれ違いざまに何を言うか。
考えすぎなんでしょうけど、わかってはいるけれど。
結構気を遣うので、私はちょっとした挨拶がニガテです。
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